アパート経営を考えるなら、サブリース契約について知っておこう!メリット・デメリットを解説

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アパートマンションの経営には、直接オーナーさんが行うものからサブリース業者に委託して行うものもあります。

本来は不動産投資のリスクヘッジの手段としてオーナーさんを守るためにできた手法にもかかわらず、近年ではそのサブリースが原因で頭を悩ますオーナーさんも出てきています。

かといって、自ら経営をしてもサブリース業者に委託しても両者ともリスクはあり、一得一失といったところです。

といっても、サブリース契約というのはリスクヘッジの手段としては今も根強い人気があることも確かです。今回はアパート経営において、サブリースのメリットとデメリットについて見ていきましょう。

サブリース契約とは

サブリース契約とは、通常のアパートのオーナーさんがアパートの部屋を個々の入居者に貸すという方式ではなく、オーナーさんがアパートの部屋を一括してサブリース会社に貸すという方法です。

一括で部屋を貸しているので、空室の分もサブリース会社からの賃料が支払われることから、安定収入をはじめとしたさまざまなメリットがあります。

サブリース契約のメリット

毎月の家賃収入が安定

常に空室の不安が付きまとう賃貸経営において、サブリース会社の家賃保証などによって毎月一定の家賃収入があり、安定感があります。

家賃の滞納や督促をする必要がない

一括で契約していることによって、家賃の滞納といったリスクも解消できます。もちろん家賃の督促などもオーナーさんからは必要ありません。

管理運営のわずらわしさがなくなる

賃貸経営にはクレーム処理などもつきまとってきます。自分の駐車場に誰かの車が止まっている、隣室が騒音でうるさいなど、そういったトラブルに対してもサブリース会社が代わりに請け負ってくれます。

相続税対策に役立つ

サブリース契約をすることによって100パーセント満室の状態にすることは、相続税の対策にもつながります。

「貸家の評価額は固定資産税評価額ひく(固定資産税評価額かける賃貸割合かける30パーセント)」

という式から、賃貸割合が大きいほど貸家の評価額が下がり、課税額も少なくなります。

確定申告をシンプルにできる

オーナーさんが支払う経費は減価償却費と固定資産税、金利くらいです。

収入もサブリース契約にしているので、サブリース会社から毎月1回の家賃保証が入るだけです。サブリース会社が作成する収入報告書を見ながら確定申告をすることができます。

以上がサブリースのメリットとなります。つまりは一括で借り上げてくれて、なおかつアパートの管理までしてもらえるので、オーナーさんとしては物件を預けていたら毎月定額の家賃保証額の収入が安定して入ってくる、といった仕組みとなっています。

では、サブリース契約のデメリットについてはどうなっているでしょうか。

サブリース契約のデメリット

家賃保証金から手数料が引かれる

毎月の収入額を安定させられるのがサブリース契約の最大の特長ですが、家賃収入から手数料が引かれているので、オーナーさんの手元には料率分を差し引いた額、つまり家賃保証として家賃の約90パーセントから85パーセント程度だけ入ってくることになっています。

一切の管理をまかせているのでこれも当たり前といってしまえば当たり前です。

家賃10万円で10室のアパートを所有していた場合、自主管理をしていると満室時には毎月100万円の家賃収入があります、しかし、サブリース契約をして、管理委託をされているとそれが85万円ということになります。もちろんその中にはサブリース契約の内容にもよりますが、家賃保証の他にも空室対策のためのリーシングや広告料といったものや、外壁塗装の塗り替え費などのような修繕費も含まれているものもありますので、完全なデメリットというわけではないかもしれません。

礼金はオーナーに入らない

サブリース契約(転賃借契約)の場合は管理会社などが入居者と賃貸借契約を行うので、礼金は入居者から見た貸主であるサブリース会社に入ることとなるため、オーナーさんには入りません。

あくまでもオーナーさん(マスターリース契約者)には、サブリース契約を交わしている管理会社から賃料の料率分を差し引いた定額分のみ支払われます。

※マスターリース契約=特定賃貸借契約

入居者を選べない

自主管理の場合、入居者の審査はオーナーさんがします、ですがサブリース契約の場合管理委託をしているので、オーナーさんは物件の所有者でありながら、どのような入居者が入っているかすら知らされないのです。

修繕費がかさむ

サブリース契約をすると、サブリース会社もしくはその関連会社に管理を委託します。

定期的に発生する設備の入れ替えや内外装の修繕、リフォームなどにかかる工事費用はオーナーさん負担となるのですが、修繕計画やメンテナンスなどの維持管理は管理会社に一任されているため、本当に必要かどうかわからないような工事費用も負担しなければいけない場合も出てきます。

契約解除

サブリース会社によっては、自社の都合で、サブリース契約の途中で契約の解除を申し込んでくる場合があります。

サブリース契約が解除になってしまうと、オーナーさんは自主管理もしくは新しく管理会社をさがさなければなりません。

運よく次のサブリース会社が現れたとしても、納得のいく契約内容であるかはわかりません。たとえば、サブリース会社と建築会社が同じ、もしくは関連会社の場合は、その会社の基幹商品の物件で建築することが多いので、新しくサブリースを行うのは難しいかもしれません。

さらに、オーナー側からの解除は契約内容にもよりますが難しいものが多いようです。

たとえば契約書の文面に「1年契約とするが、6カ月前までに解約を申し出なければ1年ごとに自動更新とする」とあれば契約満了の6カ月前までに解約の申し入れることで解約できますが、借地借家法第28条において、貸主は「正当な理由があると認められなければ契約の更新を拒絶することができない」と定められていますので、オーナー側からの解約は容易ではないということです。

家賃の見直しで減額される

家賃保証の金額は家賃からの料率分を引かれた分が管理会社から毎月支払われますが、そもそもの家賃は管理会社が決定しており、家賃が下がると料率分は同じでも家賃保証分が下がります。

そのため、突然サブリース会社から「家賃を下げます」といった申し出が来ることもあります。

10万円かける10部屋かける85パーセントは85万円

9万円かける10部屋かける85パーセントは76.5万円

という具合に近隣相場が下がると、管理会社も損はできないので対策としてどんどん下げてきます。

だからローンを抱えてアパートを建築したオーナーさんは、そのローンを支払うために家賃保証分ではまかなえなくなり、赤字分を手出ししてローンを支払うといったケースもあるようです。

サブリースは契約更新があり、更新の際にはサブリース会社から賃料の減額請求をすることが法的に認められています。

物件は古くなれば家賃が下がるといったことが織り込まれているからです。

まとめ

サブリース契約は、空室のリスクを懸念する方や、自主管理は自信がない・時間がないといった方には大変魅力的な部分が多いでしょう。

しかし、一方では免責期間や家賃の引き下げがあることも確かで、思うような収入が得られないといったケースも多々あるようです。

サブリース契約を結ぶのであれば、そういった細かな契約内容も知っておくべきでしょう。

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